本の表紙をアルコール消毒したいというお問い合わせがあったため、実験してみました。
冊子の表紙、飲食店メニューなどの不特定多数の方が手にする印刷物において、アルコール消毒は可能なのか?というお問い合わせがございましたので、今回テストをしてみました。
実験の条件
一般的な用紙(上質/コートなど)、オフセット印刷用インキではアルコールや液体に弱く、印刷面をアルコールで擦るとインキがはがれてしまいます。
今回は代表的な耐水紙であるユポ用紙に、
- ・比較的アルコール耐性が強いオンデマンド印刷機
トナーで印刷したもの - ・UVオフセット印刷用インキ(インキを紫外線硬化
させているので表面が強い)で印刷したもの
で実験してみました。
アルコールは一般的に手指消毒に用いられるエタノール79%を使用しました。
実験の結果
- 【オンデマンド印刷トナー】
力をかけず普通にアルコールをふき取る程度なら、色落ちの心配はありませんが、
かなり強い力を入れると、直径1mmほどのトナー剥がれが確認されました。 - 【UVオフセット印刷】
かなり強い力で擦っても色落ちはほぼありませんでした。
<まとめ>
以上から、ユポ用紙を本の表紙やメニューとして使用した場合、アルコール消毒を行っても影響はほぼなく使用することが可能であることがわかりました。
ただし、今回の条件下以外の用紙・インキ・トナーの場合、定着条件などにより結果は変わります。
実際に印刷した場合に常に同等の結果を保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
最後に補足となりますが、ユポを表紙にした無線綴じ製本の強度(本文ヌケし難い)についても実績があります。通常の用紙を使用した無線綴じ同様の強度を確認しております。